タンスを掃除していたら着物がでてきた!でも、もう着る機会がない。。
そんな時に、着物買取に着物を売ってしまおうという考えが頭をよぎると思います。
しかし、その着物が代々受け継がれている大切なものだった場合には、「着物買取後に、着物がどのように扱われるのか」というのが気になる方も多くいらっしゃいます。
実際に、私が査定士としてお客さまと対面したいたときにも多く聞かれました。
結論から申し上げますと価値がつく着物は「再販売」・「生地に戻されてリメイク」・「事業者オークションで再評価」されます。
一方で、価値がつかない着物については、寄付されたり、処分されてしまうことも少なくありません。
元プロ査定士が着物買取の”その後”に注目して、大切な着物が雑に処分されないためのヒントもご紹介します。
読み飛ばしリスト
着物買取とは
着物買取は、ご自身の着物を使わなくなったり、もらったけど使わなかったりした時に、着物を売ってお金を受け取ることのできるサービスを意味します。
一般的に、訪問査定を依頼したり、店舗に持ち込んだりして、プロに査定をしてもらい、査定額に納得した時のみ、買い取りを依頼することができます。
査定にかかる料金は、ほとんどのケースで無料なので、タンスに眠っている価値のわからない着物を査定してもらう方々も多くいらっしゃいます。
買取後の着物の行方5選
①再販売される(リユース)
買い取られた着物の状態がよく、今後も十分に着ることのできる場合は、再び販売されて他の人の着物として再活躍します。
具体的な流れとしては、以下の通りです。
- 査定・買取完了
- 丸洗い(防臭・抗菌剤)
- 乾燥
- アイロン
- 剣針*
- 採寸・仕上げ
- 店頭
*剣針とは、針などの破損し金属類がが商品に混ざっていないをチェックする検査です。
小売も行う着物専門の買取店であれば、しっかりとお手入れをしてくれて、大切な着物を引き継いでもらうことができます。
②生地に戻る(リメイク)
着物を買い取った後に、サイズが小さすぎたり、一部にシミや汚れがついていて使い物にならない場合は、生地としてリメイクされます。
リメイクの例としては、カゴや手帳カバー、カバンやクッションカバー、洋服のワッペン・アップリケなど、様々な用途に着物の生地は活用されます。
もし、買取の査定をしてもらって、あまり高く売れなかった場合は、ご自身でリメイクしてみるのも良いかもしれませんね。
③オークションに出品される
着物が買い取られた後に、オークションに出品されて再評価されることもあります。
買取業者が自社では販売できないが価値がありそうと判断した時に、事業者のみが参加できるオークション市場や、場合によってはYahooオークションなどに出品されることもあります。
思い出の着物が、Yahooオークションで販売されたら親族にバレてしまう!などの心配の際は、査定員に聞いてみましょう。
いずれにしても、オークションで再評価される着物は、価値が認められている着物であるため、多くの場合は着物として再利用されます。
④寄付される
着物の買取査定後に、商品として再販売の価値がないと判断された際には寄付されることがあります。
着物としては、着ることができないけど値がつかないといった場合には、劇団やNPO(非営利団体)や海外の子どもたちのところへ無料で送られます。
⑤処分される
着物の買取査定後に、引き継ぐ先がない(=商品としての価値がない)と判断された際には処分されます。
「大切な着物が処分されてしまうのは残念」「処分されるくらいなら家に置いておきたい」という方のために、着物が処分されないための確認方法をご紹介します。
処分されないための確認方法
買取後に、着物が処分されるのは避けたい!という方は、「査定時の値段」「査定士との会話」によって、処分されるか否かを確認することができます。
査定時の値段
そもそも、査定時に「この着物にはお値段がつきません」といわれた時点で、「再販売する商品価値がほとんどない」ということになります。
逆に、着物に少しでも値段がついた場合は、リユースやリメイクといったリサイクルの用途があることを意味するので、処分はされないと判断して良いでしょう。
もし、値段がつかなかった場合は、査定士の方に相談してみてください。
査定士との会話
値段がつかなかった場合、査定士の方に「処分される可能性はないか?」ということを聞いてみましょう。
査定する側も、着物にたくさんの思い出が詰まっていて、「処分されるなら家に置いておく」という方がいらっしゃることを知っています。
「せっかく査定してもらったのに申し訳ない」という気持ちは捨てて、思い切って査定員の方に相談してみることをオススメします。
まとめ
買取後の着物の行方についてご理解いただけましたでしょうか?
査定で値がついた着物は、「着物として再販売」「布生地としてリメイク」「オークションで再評価」といった行方があることがわかりました。
値がつかなかった着物は「寄付」もしくは「処分」される可能性が高いです。「寄付されて引き継がれるのなら良いが処分は嫌だ」という方は、査定金額ゼロの場合には査定士の方に着物の行方について相談してみるようにしましょう。
いずれにしても、まずは着物を査定してもらうことが重要です。
「ある査定サービスでは値がゼロだったのに、別の査定サービスでは高額で買取された!」といったサービス間での査定額の格差は珍しくありません。
必ず、頼れる買取専門サービスを利用して、ご自身の着物をできる限り高く査定してもらうようにしましょう。